選 球 眼
senkyuugan  2000.6

2000.6.1

ヤキメシ、カレー、ハンバーグにロールキャベツなど万人が好む食べ物の中には必ずと言っていいほどタマネギの存在がある

◆タマネギのにおいの成分・含硫化合物は神経を安定させストレスを解消する働きがあり、刻んだタマネギを枕元に置くだけで安眠効果が期待できる。また血液中の脂質を低下させ血管障害を抑えたり血糖値を下げる効果もある。カツ丼のような高脂肪食にはコレステロールを下げる作用と血液粘度を下げる効果を持つタマネギが欠かせない

◆タマネギを刻むと目が痛くなり、涙が出てくるのは細胞内の酵素の働きによるもので、切ったりつぶすと、催涙性物質が飛び出す仕組みだ。切れない包丁は、細胞をつぶすことが多いため、酵素との接触も当然増える。しみないためにはよく切れる包丁での調理が望ましい。一方この催涙性物質は揮発性で殺菌性があり、沈静作用も働く。パンのケースにオニオンスライスを置けばパンのカビを防ぐこともできる

◆泉州や淡路島が産地として有名なタマネギは平たいものより球形で、傷がなく重いものが好ましい。風通しのよい軒下に吊しておくだけで簡単に保存できる。若者よ、野菜・野菜・肉・野菜ぞな。(N)

2000.6.11

ガーデンにホールと言えばご存じ「ビール」。蒸し蒸しと暑くなってきた季節には、仕事帰りの一杯が本当に楽しみだ

◆ところで、びんビールが発売されたのは明治時代で、当時は釜の容量に対して課税されており、多少の誤差に問題は生じなかった。昭和に入ると出荷量に対する課税に統一されたため、各社話し合いの結果、一番小さい633ミリリットルに容量が統一された。しかしこの容量、凍れば体積は増加するため、どこのメーカーもいっぱいまではビールを入れておらず、消費者も特段問題視はしていないようだ

◆またペットボトル入りのビールが販売されていないのは、ペットボトルに通気性があり、すぐに気が抜けてしまうため。賞味期限切れのビールを飲めば気の抜けた鉄臭さをいやが上にも感じるだろう。またビールの泡は炭酸ガスが逃げるのを防ぎ、さらに空気に触れて酸化することも防ぐ優れモノだ。新たに注ぎ足す場合はグーッと空けてから注いでもらおう。ただし一気はダメ

◆1日の適量は中ビン1本程度で最初の1〜2杯がうまいと言われるビール。サーッと飲んで早々に帰路につければ問題はないが、筆者にとっては10杯目でもうまいので困っている。(N)

2000.6.21

「牛乳を飲んでから酒を飲むと悪酔いしない」「牛乳を飲んで潰瘍が治った」……こんな人が周りにいないだろうか

◆アルコールは胃液で消化され、小腸で吸収される固形物と違って胃で直接吸収される。そのため、牛乳や脂肪分の多い食品をとってアルコールを飲むと胃の運動が抑制され、胃から腸へなかなか移らなくなる。つまり、アルコールの吸収が遅れ、なかなか酔わない結果をもたらす。また、牛乳には胃液の分泌を弱め胃液の酸を中和する作用があり、欧米では胃潰瘍のミルク療法が今日でも続けられており、牛乳の潰瘍治療に優れた根拠は認められている

◆しかし牛乳を飲めば下痢をしたり、おなかがゴロゴロ鳴る、おかかが張ってしんどいと言う人もいる。これは乳糖分解酵素ラクターゼが小腸で不足していて乳糖が処理しきれず、大腸にいる細菌の作用で発酵して前記の症状を起こすため。大手メーカーでは乳糖を特別に処理した乳製品も販売されており、好評を博している

◆業務終了後の不意に訪れる「ちょっと行こか」に対して「牛乳飲んでから行きますわ」では場がしらけてしまうことも。とすれば体に見合った適量を自分自身で管理するんダゼ。(N)