選 球 眼
senkyuugan  2000.9

2000.9.1

煮ても焼いても、蒸しても揚げても。もちろん生でもうまい健康食品と言えば今や世界中でも通じる「TOFU=豆腐」

◆豆腐を作る作業は、一晩水にさらした大豆を挽いた豆汁を蒸し煮にし、煮上がったものを豆乳とおからに分けていく。この工程で豆乳にできる膜・高級食材の「ゆば」を取り除いて天然のニガリを一気に加えて出来上がり。大豆は、若いうちに採取したものが「枝豆」であり、優れて良質なタンパク質や脂質、ビタミンやミネラルなどの栄養価が豊富で、それを食べやすい形に加工したものが豆腐。ちなみに豆腐一丁で約360粒の大豆が必要だ

◆豆腐を四角に切り、ショウガ、ネギ、カツオブシなどを添えて味わう冷奴。「奴」とは日本料理で大きめの正立方体に切ることだが、大名行列の先頭で槍を振って歩いた「奴さん」の着物につける紋の形に似た由来がある。「腐」という字は「固まる」または「やわらかい固体」を意味することばで、当然、豆腐は「豆を固めた」との意味になる

◆ここまできたら「豆腐にかすがい」=手応えがなくききめないこと、「豆腐で歯を痛める」=ありえない事のたとえなどを肴に、今晩も一杯飲りますかっ。(N)





2000.9.11

10年といえば非常に長い歳月であるが自治労府職も再建以降10年以上の月日を経てきた

◆結成当初、青年部だった筆者もすでに40歳であるが、幾つになっても当時の仲間とのつきあいは続いていく。キザっぽく言うなら「ライバル」であり、シンドイ作業などともに頑張る中から「アイツがやるならオレも、オレもやるからオマエも一緒にやろう」との浪花節的人間的な信頼関係が生まれ、居酒屋談義はいつも盛り上がった

◆毎年4月には新採があり、組合加入とともに青年部に組織された中でよき先輩、同僚、後輩に恵まれた。そんな活動が意気揚々と続けば、わずか5〜10年先の組織の中心が青年世代であることは言うまでもない。青年の「おっかしいやんけ」という正義感と行動力でもっと組織を活性化していくためにも、単組あげた新採抑制をはね返す闘い強化が必要ではないか。青年層の頑張りなしには組織の未来もありえない

◆若い世代の仲間たちよ、オジサンにタダ酒をおごってもらって、思いのタケのすべてをぶちまけてみよう。ケンカになってもいい。そんな時どうしたらいいのかは昔は全員が青年部だったオジサンは経験的に知っているのだから。(N)

2000.9.21

労働組合の機関紙の果たす任務は、組合や上部団体の取り組みなどを一人ひとりの組合員に正確に、そして迅速に伝えることが第一だ

◆しかし専門用語や短縮形(略語)など、出会った瞬間から外国語の通訳よろしく読む意欲を失ってしまうことすらある。商業新聞は小学校6年生が辞書を持たなくても8割以上が理解できる記事の掲載を義務付けている。職場の朝はいきなり春闘情勢をあいさつがわりにする人はまずいない

◆活動家がわかる当たり前をいかに広げていくか、しんどい作業の連続も機関紙づくりである。労働組合の機関紙で掲載してはならないのは人を傷つけたり差別・中傷する記事だけだ。その意味でも年中「闘い」や「団結」だけの報道では息が詰まってしまう。日本独特の四季折々の便りや人間の最大関心事である「生老病死」など時には大胆に紙面をさいて掲載してもおとがめはないだろう

◆そんな気持ちで長らく選球眼を担当させていただいた。時には締め切りに追われ、ネタ探しにも奔走したが、楽しい4年間であった。愛読いただいた組合員の皆さんに感謝と自治労府職のさらなる発展を心から祈念申し上げ、筆を置かせていただきます。(N)