2000年2月 日
大阪府知事 殿
自治労大阪府職員労働組合
執行委員長 永久 章
要 求 書
2000年度の賃金等の労働条件改善について次のとおり要求するので、3月 日までに誠意ある回答をされたい。
記
T 労使慣行に関する要求
労使慣行を厳守し、労働条件の改変にあたっては、一方的実施を行わないこと。また、各支部・分会等における労使関係についても、良好な関係の形成に努めること。
U 賃金に関する要求
1 人事委員会勧告の完全実施を行うこと。また、定期昇給、特別昇給の停止を解除し、復元に向けた協議を開始し、大阪府に働く者の生活を維持・改善すること。
2 基本賃金を平均3,800円以上(1%)引き上げに加えて定期昇給を実施すること。また、公民比較方式を抜本的に改善し職員の賃金水準を引き上げること。
3 現業職員及び獣医師等の初任給基準を改善すると同時に職務段階別加算の不合理を解消すること。また、中途採用者の経験年数換算の号給調整については全職種12月除算とすること。
4 医療職(二)表標準職務表適用者の係長級を6級に格付けすること。
5 中途採用者及び現業職員の上位級格付け基準を改善すること。
6 昇格制度の改善に伴う、行政職給料表以外の給料表の均衡を考慮した措置をとること。
7 最低賃金の保障について
(1) 年齢別最低保障給制度として確立し、その水準は35歳で標準入職の8割以上とすること。
(2) 大阪府に雇用されている全ての労働者の最低賃金を月額156,000円(日額7,900円、時間給990円)以上とすること。
8 諸手当等の改善について
(1) 住居手当については、大都市における特殊事情を勘案できるよう制度の抜本改善と、支給額の引き上げを行うこと。
(2) 通勤手当についての実費全額支給を行うこと。また、官民比較の対象から除外し、非課税とすること。
(3) 扶養手当の支給方法の改善と支給額の引き上げを行うこと。
(4) 時間外勤務手当の支給率を100分の150に、深夜・週休日・休日の場合は100分の200に、夜間勤務手当は100分の50にそれぞれ改善すること。
(5) 特殊勤務手当について、条例化にともなう指摘事項などの協議・検討を行うこと。なかでも職業訓練手当については、制度の抜本的改正(調整額化等)に向け検討を行うこと。
9 一時金については期末手当一本とし、年間支給月数を6カ月とすること。また、加算については職員間の格差をなくすこと。特に、研究職の加算を国並適用とすること。
10 勤勉手当の成績主義の拡大を行わないこと。
11 非常勤職員の賃金・報酬の大幅改善と通勤手当の全額支給等待遇改善を図り、特殊勤務手当を支給すること。
12 以上の賃金改善は2000年4月1日から実施すること。
13 事務補助員とりわけ中卒者の行政職変更時における賃金格差を是正すること。
14 育児休業者・病気休職者などの職場復帰後の昇給復元措置を改善すること。
15 2000年度当初予算に賃金引上げ分を計上すること。
V 任用等に関する要求
1 任用制度の抜本的改善を図ること。係長級昇任考査については、合格者枠の大幅改善、専門考査の分野別選択制導入、適性評価の採点基準の明確化、総合点持ち越し、採点結果の本人通知と公表について引き続き改善を図ること。
2 技術系・専門職員の昇任について、昇任者数の増加を含め抜本改善を図ること。
3 研究職にかかる前歴の取り扱いを改善すること。主幹研究員制度を新設し、4・5級昇格者を拡大すること。
4 現業職員の吏員選考基準を改善すること。
W 保険・年金に関する要求
1 公務員の生活の安定と福祉の向上に欠くことのできない地方公務員共済組合制度を存置し、その自立的運営を確保するため、国に働き掛けること。
2 第131国会における「付帯決議(=国庫負担1/2目途)」の早期実現と共済年金財源の国庫負担の拡充等を国に働き掛けること。
3 患者負担の増など行わず、医療制度の抜本改善を行うよう国に働き掛けること。
X 国費職員に関する要求
1 地方分権推進の立場から、国費職員の行政と身分の地方移管実現を求めてきた立場を引き続き堅持すること。
2 身分切り替えに伴う諸問題の解決に努め、国費職員の労働条件を維持確保すること。
Y 分限、採用に関する要求
1 地方公務員法による「自動失職」に関する特例条項を設けるよう、分限条例を改正すること。
2 国籍条項の撤廃に伴なう任用・配置などの面での不平等を解消すること。
Z 労働条件に関する要求
1 男女雇用機会均等法の改正に伴う関連法規の改正の趣旨をふまえ、保育・介護の必要による深夜勤務免除ができるよう条件整備を行い実施すること。
2 看護婦(士)の夜勤体制は、複数で1人当たり月8日以内を厳守すること。
3 変則交代制勤務者の週休2日制が連続で完全実施できるよう条件整備を行うこと。
4 妊娠中及び産後1年3カ月までの深夜業務を完全に禁止すること。また、高齢者の夜勤について、原則的に禁止すること。
5 育児休業期間中の経済保障を、介護休暇と同率となるよう改善すること。また介護休暇の雇用保険適用に準ずる制度整備を行うこと。
6 人事異動について、本人希望、母性保護、保育実態等を配慮すること。また、通勤時間が片道1時間30分を超えないようにし、内示は1週間前に行うこと。
7 障害労働者(職員)が、健常者とともに働けるよう、労働条件、職場労働環境の改善・整備を行うこと。
8 非常勤職員の生理休暇を有給で保障すること。
9 公務災害に関わる見舞金を大幅に改善すること。
[ 労働時間短縮に関する要求
1 総合的労働時間の短縮に向けた府労連との協議を促進し、1日の勤務時間を7時間30分、1週の勤務時間37時間30分に早期に条例改正すること。
2 リフレッシュ休暇、家族休暇、ボランティア休暇を拡充すること。
3 残業の縮減を図り実労働時間を短縮するため、次の措置を実施すること。
(1) 週・月・年あたりの残業時間の上限をそれぞれ12時間・30時間・150時間に制限すること。
(2) 「ゆとりの日(全庁一斉ノー残業デー)」を定着させること。
(3) 予算・議会関連業務など残業を生み出している業務の見直し、全庁的抜本的改善を行うこと。
(4) 時間外勤務をするときには、労働基準法第33条3項「公務のために臨時の必要がある場合」の規程の厳格な運用と、時間内に事前届出・事前命令の徹底をを図ること。
(5) 時間外手当の完全支給を行うこと。残業規制を実効あるものとするため、労働基準法第36条の趣旨を尊重し、各部・所属長と自治労府職各支部・分会長との協議を行い、覚書を交わすこと。
4 休息時間・休憩時間を完全に確保すること。
5 非常勤職員の年休付与日数を拡大すること。
6 「府民ゆとりの日」の設定、「ゆとり基金」の活用で、民間事業所への働き掛けを強め時短の促進を図ること。
\ 人員に関する要求
1 完全週休2日制実施・休日の代休制導入に伴う必要人員の完全確保を行うとともに各種権利行使が十分に行えるよう定数の改善を行うこと。
2 恒常的残業、過重労働改善のため各支部・分会の人員要求を実現すること。
3 新年度予算に伴う新規事業等の必要人員を確保すること。特に介護保険導入に際して円滑に実施ができるよう市町村支援の要員を十分確保すること。
4 育児休業制度(全職種・男女適用)が実効ある制度として機能するため、代替要員を正職員で完全に確保すること。
5 現業職場における退職予定者の退職後欠員を完全に補充すること。
6 財政危機を理由とした、採用ストップ・抑制を行わず、組織の活性化と将来への展望が開けるよう配慮し、年度途中・年度末の退職者と事業増を見越し、新規採用を行うこと。また、心身障害者の雇用拡大を引き続き行うこと。
7 一般行政・技術職の女性の採用割合を高め、本庁の配置や男女の固定的配置を見直すこと。
8 病院看護職員の「臨時的任用職員」について、当局責任で必要数確保に向けたあらゆる努力を行うとともに、各病院運営に支障のない年度当初配置人員を確保すること。