1999年11月4日
大阪府知事 山田 勇 様
自治労大阪府職員労働組合
執行委員長 永久 章
2000年度予算に向けた職場環境改善、
健康管理・福利厚生の充実についての要求書
大阪府に働く職員の快適な職場環境の実現をはかるため、第2回中央委員会の決定に基づき下記のとおり要求を行なうので、従来の労使慣行を遵守し協議を行なうとともに、誠意ある回答をされたい。
記
1.職場環境の改善
(1)老朽化した出先職場庁舎(築20年以上)についての建替計画を明らかにすること。また、補修・修繕についても計画 的に行ない、その際には、本部または支部と十分協議を行うこと。
(2)本庁舎をはじめとした執務室等の狭隘対策・会議室不足の解消について、新庁舎建設までの間においても引き続き 十分な策を講じること。
(3)各職場の休養設備・施設、男子・女子更衣室、男女別トイレなどの設置・改善をはかること。
(4)福祉のまちづくり条例にそって府有施設・設備の改修・改善計画を明らかにするとともに、条例を最低限の条件とした 十分な措置を講ずるとともに、その場合には、当該障害労働者(職員)の意見を十分に尊重すること。また、開かれた府 庁を実践する観点からも執務室等の配置については配慮を行なうこと。
@ 本庁本館の全ての出入り口などにスロープ、リフト等を設置すること。
A 本庁庁舎各階(職員会館を含む)に洋式トイレを設置するとともに、障害者用トイレについて女性が使用しやすいも のに引き続き改善を行なうこと。
B 出先府有施設についてスロープ・トイレ・自動ドア等の設置施設の拡大をはかること。
C 府民が多く利用する府有施設などに公衆ファックスを設置すること。
(5)環境にやさしい府庁管理・運営を行なうため、エコアクションプログラムを積極的に推進すること。
@ 冷凍機等の特定フロンガス対策について改善計画を明らかにすること。
A 廃乾電池、廃蛍光灯の適切な処理を引き続き行なうとともに、せっけんの使用を促進し、本庁舎で実施している使 用済み用紙の回収・リサイクルなどを出先職場を含め、全庁で実施すること。
B 低公害公用車の導入を積極的に促進すること。また、天然圧縮ガス充填施設の設置拡大をはかること。
C ペットボトル回収など容器包装リサイクルを出先職場を含め、全ての庁舎で実行すること。
D 大阪府におけるダイオキシン削減対策を強化するとともに、府有施設の簡易焼却炉の撤去、改築、改善に引き続き 努力すること。
(6)阪神淡路大震災の経験を踏まえ、庁舎・執務室における安全対策(ロッカー等の固定や転落防止等)を講じること。
(7)本庁舎における業務上必要な市外外線電話を拡大すること。
(8)組織再編にかかる職場環境については、当該支部との協議を誠意を持って行ない、快適な職場環境の確保に努め ること。
2.労働安全衛生の充実
「職員の健康を守り、安心して働きつづけられる職場づくり」の観点から、労働安全衛生については予算のマイナスシーリング対象とはせず、以下の項目について実現すること。
(1)人間ドックについては、毎年、35歳以上の職員の全希望者が受診できるようにすること。また、脳ドックに助成を行な うなど人間ドック受診時における個人負担を一層軽減するとともに、手続きを簡素化すること。また、ストレスドック等のコ ースを新設すること。
定期健康診断については人に着目した検診とし、40歳以上は成人病検診として位置付け同一日に全ての検診が受 診できるようにすること、また、若年層の疾病の早期発見・予防のため、血液・心電図検査を20歳・25歳のポイントで 実施すること。
病院職場の定期健康診断を全庁的な健康管理システムに組み入れ、本人通知についても、その他職場と同様の取 り扱いが行なわれるようにすること。
(2)健康増進センターの設備・運営とプログラムについて、THPを踏まえた総合健康診断を40歳以上5歳刻みのポイント で行なうよう新制度を確立すること。
婦人科検診、大腸検診、血液検診、心電図検査を全ての希望者が受診できるようにするとともに、骨密度検診を新設 すること。
(3)胸部レントゲン撮影については、直接撮影にするなど被曝線量を減少させる対策を講じること。
(4)退職後の健康管理(ホームドクターとの連携等)のため、退職直前に在職中の検診データを手渡し、退職後の健康指 導を行なうこと。
(5)エイズ・C型肝炎など感染症対策を強化するとともに、エイズ患者等の診療に携わる医師・看護婦・検査技師・検体 等に接触する職員等については、定期検診時にHIV抗体検査を実施するなど96年6月19日提出の「大阪府における エイズをはじめとした感染症対策の強化について」の申し入れ内容を実現すること。また、医療廃棄物に対する適切な 処理も十分行なうこと。
(6)病院、施設等の衛生管理体制を強化し、O―157など食中毒防止のため、施設・設備の改善を行なうこと。
(7)放射線業務従事職員特別検診について、1990年4月の協議内容を遵守するとともに、一層の充実をはかること。
(8)「VDT作業のための労働安全衛生管理基準」の職場で再度徹底をはかるとともに、VDT特別検診の受診対象を拡 大するとともに内容の充実に努めること。
(9)端末機・ワードプロセッサなどの業務機器が設置されている職場におけるスペースの確保や配置・照明・低騒音化な どの作業環境については、管理基準を最低限の条件とし指導改善を行なうこと。
妊産婦については、基本的にOA作業に従事させないこと。やむを得ない場合においても、作業時間の縮少や磁気防 止エプロンの購入・着用など十分な配慮を行なうこと。
(10)非常勤嘱託員についても特別検診の対象とし、ドック受診特別休暇を新設すること。
(11)公務災害による死亡・疾病等について、原因を究明し再発を防止すること。また、公務災害によらない現職死亡に ついても死因等を十分に把握し、健康管理に努めること。
(12)健康管理の観点から残業規制の啓発、指導に努めること。また、メンタルヘルスについても引き続き必要な措置を 講じるとともに、予防対策としての労働安全衛生教育の徹底を図ること。
(13)執務室等における空調、照明、換気、騒音、衛生等について、日常的な点検をより充実するとともに、支部・分会等 から指摘があった場合には誠意ある措置を行なうこと。特に、冷暖房について職員の健康管理に留意し弾力的な運用 を行なうこと。また、やむを得ず行なう残業時の個別冷暖房器具について、健康管理の観点からも確保すること。
(14)健康増進センターにおける産業マッサージを拡充すること。
(15)労働安全衛生協議会の確認に基づいた、禁煙タイム・各種会議の禁煙の再徹底を行なうと同時に、禁煙時間帯の 拡大、分煙のための喫煙場所のスペース確保と設備の設置などの禁煙対策を強化すること。
(16)労働安全衛生協議会の活動の充実をはかるとともに、各労働安全衛生委員会の体制確立と活動の強化を行なうこ と。
(17)海外派遣職員の健康管理について、家族も含め健康診断の充実を図るとともに、一時帰国時に定期健康診断・人 間ドックを義務付けること。また、各国において保険制度が異なることを踏まえ、本人負担がアンバランスにならない措 置を講じ、負担軽減をはかること。
(18)原子力災害の災害応急対策等、放射線障害になる恐れのある業務に関わる職員の安全を確保するため、次の事 項について措置すること。
@ 災害応急対策に従事する府職員などの数及び関連施設の位置を考慮して、ヨウ素剤を配備すること。
A 防護服、モニター機器等の個人用防護資機材を災害応急対策の実施に必要な数を考慮して整備すること。
B 防災業務従事者の許容被曝線量を男女別に設定すること。
C 妊娠中の女性は、被曝の可能性がある災害応急対策に従事させないこと。
D 府立医療機関に除染室を設置すること。
E 被曝の可能性が高い災害応急対策に従事する部局の職員に対して、原子力災害に関する研修を実施すること。
F 上記の項目については、周辺府県の災害応急対策の応援に従事する者についても適用すること。
3.福利厚生の充実
(1)被服に関して次の要求を実施すること。
@ 男女に事務服を貸与すること。また、各職種ごとに貸与されている被服・作業服等については、労働安全衛生の観 点、当該職場の要望・実態をふまえ改善すること。
A 非常勤嘱託員を被服貸与の対象にすること。
(2)職員グランド(舞洲)に、照明設備を設置すること。
(3)宅舎・独身寮の建て替え・改修の年次計画を明らかにし、あわせて、2000年度の計画を示すこと。
(4)各種給付事業について、各年代層に配慮したものに拡充するとともに、手続きの簡素化をはかること。また、ライフプ ランセミナーの拡充(退職前の一泊セミナーは該当者全員に実施するなど)をはかるとともに、ライフプランをサポートす る研修制度を確立すること。
(5)非常勤職員への福利厚生事業を拡充すること。
4.障害労働者の昇給、貸与などのプライバシー情報について本人に直接伝達される情報保障を拡充すること。
5.研修について、計画段階から労使協議を行なうとともに、研修休暇制度の創設も含め、自己啓発に関する援助制度をより充実すること。また、セクシュアルハラスメントについての研修の内容充実と対象拡充を行なうこと。
また、障害労働者職員の研修にあたっては、研修用教材についても十分に配慮すること。
6.以上の要求の他、自治労府職の各評議会、専門部、各支部の要求についても誠意ある協議を行ない善処すること。
以 上