山田知事のセクハラ民事訴訟結審についての見解
山田知事は、今春の知事選挙の際に運動員の女性へのセクハラ行為があったとして刑事告訴と損害賠償請求の民事訴訟を提訴されていたことについて、10月4日、「賠償責任を負ってでも実質審理は回避する事を表明した。しかし、相手側の異議申し立てにより、来月1日に弁論が再開されることとなった」との報道がなされた。このことに対して、府労連は、10月7日 「訴訟テクニックとして許されることでも、公人として・府政の最高責任者の姿勢として問題があり、まして、公務多忙を理由とすることは許されない。『事実無根』と主張するのであれば『堂々と争うべき』で、そうすることが知事としての公職を全うし、府民の信頼に応えうる最善の道と考える。このことで府政への不信が増すこととなれば府政にとって大きなマイナスとなる。知事と職員が一体となり財政再建に取り組み府民福祉の向上と男女共同参画社会の実現に努めるためにも、知事が再考されることを求める」旨の見解を発表し、申し入れを行いました。
その後の府議会での審議、「信頼回復を求める」決議が行われ、府労連以外の労働組合や多くの女性団体や大阪府男女協働社会づくり審議会委員らが再考を求めていたにもかかわらず、11月1日の民事訴訟第2回公判で「意見開陳」をされず、争わないことを表明されました。当日の記者会見では、「真実は刑事訴訟で明らかになる。自分は潔白である」と発言された旨の報道がなされています。今回の判断は、事実上セクハラ行為を認め女性の人権を踏みにじったことになるのです。
まして、その後の府政の混乱は、大阪府の財政再建・府政改革、府民福祉・教育の向上に日夜取り組んでいる大阪府の職・従業員に影響を与えています。今回の対応で府民の『信頼回復』が図れるとは思えません。
府労連は、今回の判断・対応は、知事の再考を求めた経過からも誠に遺憾であります。民事裁判敗訴の判決が下った際には、知事がこの間の府民・職員の声を斟酌し、知事としての進退を含めた府民の納得の出来る決断を求めるものです。
1999年11月4日
大阪府労働組合連合会