機関紙「自治労府職」
1999年12月1日号
成果確認し妥結の方向・府労連秋季年末闘争
総務部長「人勧どおり実施、12月議会に条例改正案提出」
非常勤特嘱等報酬は2年連続改定見送り 総務部長最終回答へ
99府労連秋季年末闘争は2年連続の人勧1年間凍結、定期昇給24月延伸などの厳しい給与抑制下において今後の労使交渉の成り行きを決するものとなった。
引き続く、危機的な財政状況、他府県で次々と打ち出される給与抑制措置、公務員を取り巻く厳しい環境の中で府当局は、減額の人勧(公民格差0・51%のうち定昇延伸効果を捨象した0・22%の給与改定率、期末手当0・3月減額、平均年収11万4千円減額)の実施すら11月19日の回答期限に至るも明言せず、0・3月減額のみを行おうとする態度を示し、24月延伸等の実施に際して「これ以上の抑制措置は行わないよう努力する」との姿勢や財政再建プログラム案に給与改定財源0・5%を組み込んでいるという立場とも矛盾する「理不尽」な態度をとり続けてきた。
府労連は、11月5日の山田知事との第1回団体交渉以降、これらの知事や府当局の姿勢に対し、すべての職場から抗議を行い、2次にわたる決起集会、職場決議と波状的な折衝・交渉を行ってきた。その結果、12月府議会への給与改正条例提出のためのタイムリミットの11月30日、各単組中央委員クラス集会を背景に午後5時からの総務部長交渉(回答要旨2・3面に掲載)で3年ぶりの人勧どおりの実施の回答を得た。
府労連は、交渉後直ちに闘争委員会で見解を確認、12月2日、午後7時30分からの中央委員会で妥結を確認することとした。
府労連闘争委員会見解
1999年11月30日
今年の大阪府人事委員会勧告は、公民格差0・51%のうち定期昇給延伸分を差し引いた0・22%という「値切り」勧告であり、一時金0・3月カットの減額勧告であった。府労連は、制度を守ることの意義、24月延伸等の実施に際して「これ以上の抑制措置は行わないよう努力」するとの当局の姿勢の堅持を求めて、給与改定の完全実施の交渉を重ねた。府当局は「諸般の情勢からことのほか苦慮」を繰り返し、回答期限の19日、木村福知事は「人勧尊重という基本的考えは変わっていないが、極めて深刻な財政状況、引き続き厳しい内部努力を求められている。人勧を取り巻く情勢は厳しく諸情勢をもう少し見極め、12月議会を目途に協議を継続したい」として最終回答が行えないことを表明した。
府労連は、府当局の理不尽な態度に抗議したが、12月議会に給与条例改正案を提出する期限まで継続協議とせざるを得ないと判断、30日を回答期限にし、折衝・交渉を強化した。25日には総務部長交渉・府庁正面玄関前決起集会・緊急職場決議を職員長に手交する連続行動、29日の府庁前朝ビラ宣伝行動、30日には府労連各単組中央委員クラス決起集会を開催し、団体交渉を配置、誠意ある回答を求めた。
本日、午後1時30分の職員長との折衝、4時からの総務部長との折衝を経て5時より行われた団体交渉での総務部長回答を次の通り整理する。
1、人勧(改定率0・22%、期末手当0・3月削減、宿日直手当府独自措置含めた改定)については、人勧制度発足後初の年収のマイナスとなるが、人勧制度尊重の観点から受け入れる。非常勤特嘱等の報酬の2年連続見送りについては、遺憾。
2、年末手当12月10日条例通り2・5月支給を確認する。
3、育児休業者の期末勤勉手当の支給については、来年1月実施を確認する。
4、家族休暇の改善については、来年1月1日実施を了解する。
5、研修休暇(無給休職)の新設については事務折衝で確認した4月発令の実施を確認し、「支援策」の実現を強く求める。
6、他の重要項目については、総務部長回答及び折衝を通じ得た内容を確認する。
@ 成績主義の導入については、一方的実施は行わないことを確認した。
A 現業職員の吏員任用制度改善について「引き続き、研究」との回答をふまえ、誠意ある対応を確認した。
B 教育職(二)表1級の2級への選考資格要件について「課題の整理について協議中」であることを踏まえた「引き続き検討」を確認した。
C 小・中学校事務職員、栄養職員については「今後とも任用拡大に努力する」との回答を得た。
D 国費職員の身分移管問題については大阪府としての立場が不変であることを確認し、円滑な身分移管の具体策の早急な協議と解決を確認した。
E 男女共同参画社会の実現に向けた環境整備についての府としての努力を確認した。
F 新再任用制度の検討に当たって現行特嘱制度の維持が前提であるという府労連の主張を踏まえた検討を約束させた。
G 健康管理をマイナスシーリングの対象としないという府労連の主張を認識させた。
以上の点から、今季闘争を終結するものとする。
府労連は、困難な闘いを組合員の参加で進め、不満の多い勧告内容ではあるが3年ぶりの人勧どおり実施の回答を得たことを評価する。今後もさらなる賃金抑制阻止、定期昇給・特別昇給の復元をめざし、引き続き府労連5単組の団結で、10万人の職・従業員の労働条件に責任を持つ闘いを進めるものである。
以 上
青年の怒り行動で示す
府労連闘争に活発な取り組み
青年部
府当局は青年労働者の期待とがんばりに応えろ││
本部青年部は府労連秋季年末闘争勝利に向け、活発な独自の行動で青年の怒りをぶつけた。
11月25日早朝、本部青年部は、本庁ブロック会議の組合員を中心に、府当局への怒りを込めたビラ配布行動を展開。府庁に働く仲間に、ヤマ場を迎えた府労連秋季年末闘争への参加と「職場から府の財政再建を支えている青年の切実な声に応えることは当局の当然の責任。わずかなベアも実施しようとしない姿勢は断じて許されない。これから何十年も府で働く、わたしたち青年が一丸となってがんばっていこう」と労働組合へのさらなる結集を力強く訴えた。
11月29日には時間外の青年部ニュース置きビラ行動も行い、人勧完全実施の切実な要求実現に向けて精力的な活動を繰り広げた。
重度障害者雇用促進求める
障害者対象の職員採用試験で申し入れ
府が10月22日に実施した障害者対象の職員選考採用試験(事務職数名程度、電話交換手、農芸員各若干名)の募集枠、採用人数について自治労府職は、11月25日、人事課に申し入れを行った。
これまで身体障害者手帳1級から4級の重中度に限っていた募集枠を、今年度は軽度も含めて拡大したことについて自治労府職は「非常に狭い枠のまま軽度を含めて募集を行うことは結果として重度障害者等にとって、より一層狭い門になることであり、自治体の責務として重度障害者に重点を置き、雇用を促進していくという別枠採用制度の意味を見失わせるものである」として当局の考え方を質した。
人事課は「重度障害者雇用促進は十分に認識している。今後、ふれあい大阪障害者計画に掲げている3%実雇用率目標達成に向けて枠を拡大していきたい」と答えたが、3%達成に向けた実施計画については明らかにしなかった。
自治労府職は、府と同じく3%目標を掲げてきた東京都では毎年11〜40人を採用、神奈川県では毎年15〜20人を採用し、すでに3%目標を達成していることを指摘し、今後の目標達成に向けた努力を要請した。また、砂川厚生福祉センターや農林技術センターなどで行われている知的障害者雇用の取り組みの総括、在職中に障害者となった職員の雇用継続対策の検討についても申し入れた。
あわせて、大阪ふれあい計画で法定雇用率を上回る3%の実雇用率目標は、平成6年3月からの目標であるにも関わらず、いまだに、ほど遠い状況であり、達成までの実施計画について質した。
課長補佐制・来年度導入
業務執行体制見直し提示 当局
府労連 引き続き問題点など集約
府は11月24日、総務部長通知「平成12年度の行政運営体制について」および「業務執行体制の見直しについて」を発した。
府労連は「行政運営体制」には「2%目途の人員削減」が今年も明記されている点について「一律削減の手法はとるべきではない」と抗議し、課長補佐制導入を柱とした「業務執行体制の見直し」について11月10日、「性急な導入は問題があること、『やる気』を阻害する懸念」などを申し入れていたにも関わらず「当局責任」で導入されることについて抗議し、実施後も問題点を集約し改めて申し入れることとした。
戦争責任の究明と歴史の総括をめざして
99国際市民フォーラムin おおさか
1999年12月11日(土)全体会
12月12日(日)分科会・全体会
主な発言者
基調報告 本島 等(日本:元長崎市長)
Dr.シャオスーピン
(米国:紀念南京大屠殺受難同胞聯合会)
被害証言 周秀英(中国:南京にて性暴行被害)
郭貴勲(韓国:徴兵され広島にて被爆)
黄君桃(台湾:台湾「軍性奴隷」賠償裁判原告)
国際市民フォーラム大阪実行委員会は、12月11日(土)と12日(日)の2日間、ピースおおさかで「戦争責任の究明と歴史の総括をめざして―99国際市民フォーラム」を開く。
今世紀に起きた戦争は、国家間の紛争、民族問題などの様々な問題を引き起こしたが、これらの問題を次世代に持ち越すわけにはいかない。21世紀は国際的な理解と連携が非常に重要となっている。特に過去の戦争の認識や責任問題に目を向けても日本国内での認識と世界の認識とでは大きな隔たりが感じられる。
政府は、日本がアジア民衆に及ぼした数々の侵略の歴史を反省し、教訓化するどころか、近来、戦争協力法「新ガイドライン法」、「盗聴法」「日の丸、君が代」を強行採決し、あからさまに再び新たな侵略戦争の準備を進めている。
世界から孤立したこれらの動きは、アジア民衆との友好を築き平和を守る運動に背を向けるもの。
このフォーラムは、アジアの人々と共に「希望と喜びある未来」を築くため@受難者の思いに心を重ね共に歩む運動の展開、Aアジアの人々と歴史を共有し記憶を分かち合い、次代に伝えるため21世紀への提言を行う、B侵略戦争の典型である南京大虐殺、性暴力、「慰安婦」、強制連行、細菌戦、韓国人被爆者などの問題を取り上げ、史実の認識から戦争責任の究明と総括をめざす。をテーマに掲げ、自治労府本部も実行委員会の協力要請に基づき積極的に参加する。
自治労府職も集会趣旨に賛同し積極的に参加する。参加希望の方は各支部または本部まで問い合わせを。
こころとからだの健康づくり
冬至にカボチャ食べてゆず湯に入ろう
12月22日は冬至です。冬至の日にはゆず湯に入ったり、カボチャを食べたりする古くからの習慣があります。
ゆず湯は体を温め、皮膚や粘膜を強くする効果があるといわれています。また、カボチャ(緑黄色野菜)にはビタミン類が多く含まれており、それらビタミンを摂取することで免疫力を高め、風邪予防には効果的です。
この風習は本格的な冬の到来をひかえ、ゆず湯に入って、十分な栄養をとり体力をつけ、厳しい冬を乗り切ろうという昔の人の知恵なのかもしれません。
このような風習があるように、冬場には風邪がよく流行します。この時期は気温が低く、乾燥(低湿度)した日が続きます。また、暖房により換気をしない閉鎖環境の中では、風邪にかかる危険性が増します。
乾燥した状態では気道粘膜は傷つきやすく、免疫機能を正常に保つことができません。その上低温、低湿度状態の中は風邪の原因ウイルスにとって活発化しやすい状況にあります。
さらに閉鎖環境により、すでに風邪にかかっている人のくしゃみや咳等により吐き出された菌やウイルスを別の人が吸い込みやすくなります。免疫機能が十分に働いているなら、菌やウイルスを死滅させ、症状の発生を免れられますが、免疫機能が低下していると容易に菌やウイルスが増殖し、風邪症状を発症させてしまいます。
風邪をひくと薬を飲むことが多いのですが、その薬は風邪の原因菌やウイルスを死滅させるというより、風邪の症状(発熱、咳、鼻水等)を鎮めるための薬であることが多いようです。風邪の原因菌やウイルスは数多くあり、その中で一部の菌やウイルスしか、特定の抗生物質に反応せず、ほとんどの菌やウイルスには特効薬がありません。
また、いったん風邪にかかってしまうと抵抗力が低下しているので、別の菌やウイルスが原因の風邪にかかりやすくなります。
早く風邪を治したいなら、消化のよい食事と睡眠を十分とり、体の免疫力を高めることが必要となります。
そして何より重要なことは、風邪をひかないように十分な栄養と休養をとり、温度や湿度、換気などの環境に注意することが大切です。また、外出先から帰った時にはうがいと手洗いを実行することも効果があります。是非、実行してみてください。
まずは冬至の日に「ゆず湯とカボチャでかぜ予防」からはじめてみませんか。