機関紙「自治労府職」

 2000年3月1日号 

職員守る責任ある対応を
職場環境改善・健康管理など要求で団交

2月24日、自治労府職は99年11月4日に提出した2000年度予算編成に向けた職場環境改善・健康管理・福利厚生の充実についての要求書について当局と団体交渉を行なった。
 酒井書記長は、@福祉のまちづくり条例の趣旨、開かれた府政の実践(来庁者の利便性確保)に向けた執務室配置・室内の狭あい対策、A組織再編での職場環境について関係支部との十分な協議の約束、B人間ドック、定期健康診断の内容拡充など職員の健康管理、C原子力災害に従事する職員の安全確保、などで当局の考え方を追及した。
 用度課長は「庁舎対策では限られたスペースのなかでの有効活用、創意工夫で今後とも対処していきたい」と答え、職員課長は「健康管理については予算マイナスシーリングのなか、現状を維持する取り組みに努力している。職員の安全対策など関係課とも連携して進めたい」と答えた。
 各支部からも意見が出され、庁舎対策・職場環境・職員の安全確保などで当局に要望を訴えた。
 交渉を終える際、永久委員長は「各支部交渉などでその都度、職場の意見をくみとってほしい。使用者として職員の健康・安全に責任を持つ姿勢であり続けてほしい」と訴えた。

太田知事と懇談会
協議の場設置を確認・連合大阪

連合大阪は2月24日、太田房江知事と懇談し平成12年度予算に対する要請への回答を受け、意見交換を行った。
 席上、前田会長は「財政再建は当該労働組合との労使の信頼関係が大切であり、できる限りの事前協議・企画段階での事前の意見交換を行うこと」を求めた。
 知事は「初めての予算編成で期間も短いが大阪府雇用対策会議での目標6万人雇用創出などに配慮した予算としたい。景気回復に前向きに取り組み、財政が厳しい中でも明かりが見えてくるものにしていきたい。財政再建と景気回復・雇用創出は車の両輪。連合の皆さんのお知恵も借りて、すでにできている信頼関係のもとに進めていきたい」と述べた。
 さらに連合大阪から、@夢と希望の見える将来計画づくり、A行政評価・政策評価に府民参画を、B介護保険の円滑実施、Cダイオキシン対策の強化、D連合大阪との新しい協議システムづくり、E労働行政の拡充などの要望が出され、知事からは具体的検討を行うことが回答された。

ストライキ批准投票
批准率82・03%闘う意志表示・自治労府職

年間を通じて2時間を上限とするストライキ権を自治労中央闘争委員会に委譲するため行われた2月23日の批准投票で、自治労府職は投票率90・35%、賛成率90・79%、スト批准率82・03%で圧倒的な成功を収めた。今回の投票結果も例年どおり賃上げ、時短、職場要求前進などを求める組合員の声が反映されたもので、2000春闘本番にむけて闘う決意を内外に示した。

女性部 年次・生理休暇取得調査
年休残の理由 仕事が忙しい47・7%

99年1月から12月までの年休・生休取得調査を行ったところ、回収率は70・4%でした。ご協力ありがとうございました。

プロフィール
 アンケートによる、女性組合員のプロフィールは30代が28・2%、10・20代が26・0%、40代が25・9%、50代以上が19・9%。職場は行政職場が74・6%と圧倒的に多く、病院関係職場20・9%、福祉職場4・4%となっています。
 健康度ではおおむね健康が60%と一番多く、次に健康20%となっていますが、やや不健康が15%、不健康が4%となっています。

年休取得
 年休の取得日数は、56・6%の人が16〜20日と一番多く、次に11〜15日(20・3%)、21日以上取得した人も12・4%います。
 年休を残した理由としては、仕事が忙しいが47・7%でしたが、その他の理由としては、子どもの病気のため残しておいた結果、仕事のスケジュールの都合、早い時期に取得しなかったので年末に取りきれなかったなどでした。また、仕事が好きだから休みたくないという人もいました。
 年間の計画的取得や、年の途中での点検などが必要と思われます。

生休取得
 生休の取得日数は、59・2%の人が0日となっており、1〜5日が24・5%。6〜10日が12・5%となっています。
 生休を取得しない理由として、仕事が忙しいが30・1%、必要ないが25・6%、周囲が取らないが20・3%となっており、その他としては、年休で休んでいる、周囲が男性ばかりで取りにくい、年齢的に取りにくくなった(40代)、取りたくない・恥ずかしい、忙しい時期と重なる、上司よりいやみめいた発言がある、届が面倒などでした。
 取り方がわからなかったり、上司からいやがらせをされた場合はぜひ組合に相談して下さい。

その他
 また、その他の意見として職場での禁煙タイムが守られていない。部屋のトップである人の分煙に対する意識が低いと切実な声がありました。

大阪府行政改革推進計画平成12年(2000年)度版
自治研活動など積極的に進め職員・府民参加で財政再建
自治労府職          
行革計画概要へ

府は2月22日の行革推進本部会議で「大阪府行政改革推進計画(案)平成12年度版」を確認し、府労連に提示するとともに府民討議に付した。2月府議会の議論を経て、議会終了後に策定する予定。
 府労連・自治労府職は、この間の取り組みで「職員の勤務条件に係る事項は関係団体(府労連)との協議」を明記させてきている。また本年は「大都市圏特有の行政需要に対応しうる税財源の充実が不可欠」「地方税財政制度の抜本的改革などの課題が残されており」など、地方税財政改革の必要性を明確にさせた。
 今回の行革推進計画では前年に部局再編の行革計画を示した関係上のこともあり、「組織改正(案)」についても示された(組織改正案は2月28日提案のとおり↓3・4面に掲載)
 内容では、本年度新たに取り組みを進めた行政評価システムの確立を第一番目に記載し、今後の充実に向けた姿勢をうかがわせた。また、公の施設の改革、ボランティア・NPOとの連携強化、環境マネジメントシステムの確立などの新規項目が追加されると同時に貸借・対照表の公表やパブリックコメント制度の検討など、太田知事の施策も反映した内容になっている。
 しかし、全体では財政危機を反映して「財政再建プログラム案」の具体化の観点が引き続き踏襲されているものになっている。
 自治労府職は、自治労府本部・連合大阪との連携を密にしながら、対案提起が可能な自治研活動を積極的に進め、職員・府民参加の府財政再建に向けた取り組みを強める。

職員定数条例改正(案)
 府行革推進計画で示された職員定数管理については次のとおり。

一般行政部門における職員定数条例の改正について(案)
 平成12年度当初において知事部局等の職員定数条例を改正する。
【削減の考え方】
 一般行政部門については、定数管理の取り組み成果等に基づき、平成10年度、11年度の両年度当初において、定数条例の改正を行ったところであるが、平成12年度当初においても、平成11年の定数削減の取り組み成果等を踏まえ、条例定数の削減を行う。
(参考)
 ※H11年度の削減実績
……△235人
【今後の取り組み】
 さらに、徹底した既存部門の人員見直しや採用の抑制に努めることにより、一般行政部門における職員定数の見直しの取り組みを進める(H11〜20年度の10カ年で、2200人の定数削減を見込む)こととしていることから、来年度以降についても一般行政部門の条例定数については、削減に努めることとする。
(平成10年度末退職手当債は160億円で、今回の改正により平成11年度末では170億円を見込む)

平成12年度 組織改正・職員配置計画提案
残業縮減に程遠い人員提案
支部・分会での取組強化を

28日、府当局は自治労府職に平成12年度「組織改正案」「職員定数配置計画」を提案した。
 自治労府職は一律削減反対、スクラップアンドビルドで対応を求めるとともに恒常的残業解消のためにも業務過重の課に対する人員配置などを求めてきたが、ほとんど要求に応えきれていない。
 府当局は、今回の提案について3月21日を目途に回答を得たいとし、2月8日に先行提案した府税事務所の「職員定数配置計画」も同様の回答期限とした。
 自治労府職は今後、本部・支部・分会で当局交渉を積み重ねるなど取り組みを進めていく。
 組織改正については、2月23日に示された「府行革推進計画」にも示され、大きくは、@福祉・保健衛生部の統合で健康福祉部の新設、病院事業局の新設、A商工・労働部の統合など大幅な部局再編の組織改正と、業務執行体制の見直し(課長補佐制度の導入)などが含まれた内容で、見直しによる課の数は69から107(本庁部分)と増加している。また、従来は各係までの組織を示していたが、今回から、規程上の名称である課までの提示となった。

職員定数配置計画・業務量増へも最低限

職員定数配置計画」の各部・課の詳細は各支部ニュースにゆだねるが提案内容の多くは、組織改正による組織の廃止・新設に伴う人員の増減となっているものの、業務運営・処理体制の見直し・整備、職制の廃止などが中心となっている。主なものは、@地域担当副理事室の廃止で市町村課24人減、保健所組織の再編で40人減、府税事務所統廃合などで136人減(2月8日に先行提案済)の減員提案となっている。一方の増員は介護保険関連業務が12人増に止まるなど、業務量増に対する配置も最低限のものとなっている。
 現業職場では、民間委託化などの業務処理方法の変更による減員や暫定不補充などが従来から引き続いており、公務の最前線の職場である現業職場への厳しい状況が強まっている提案と言わざるを得ない。

平成12年度大阪府当初予算案    新規予算概要へ
府労連 給与改定財源計上しない使用者責任を厳しく追及
前年度に続き人件費マイナス1%

2月28日、府労連は総務部次長・財政当局から平成12年度当初予算の説明を受けた。府労連は、太田房江知事誕生後に取り急ぎまとめられた予算案であるが、その編成過程や行政改革推進計画策定過程での情報管理が相変わらず改善されていないことを指摘し、労使関係への影響の懸念を表明した。また、給与改定財源が計上されていない点について強く抗議し使用者責任を追及した。(予算案の概要は下表の通り)

 前年度、戦後初のマイナス計上となった人件費は、平成12年度当初予算案でも対前年度マイナス1%(100億円減)の計上となり、この内の退職手当増額分(11年度587億円、12年度736億円)を除くと249億円減になる。また、予算全体では平成8年度から5年連続でマイナス予算となっている。
 これは、定期昇給24月延伸などの効果と人勧による0・3月の期末手当カット分、特別職等の給与・管理職手当カットの継続や知事部局・学校関係あわせて約1200人の定数削減に加えて、府財政再建プログラム案の長期財政推計に計上し、次年度の国の地方財政計画にも組まれている給与改定財源0・5%が計上されていないことによる。

 府労連強く抗議

 府労連は、改めて給与改定財源の不計上に抗議し使用者責任を追及した。府労連の抗議に対し職員長は、厳しい財政状況の中で計上できなかったことを説明。改めて「人勧は、基本的に尊重、労使交渉に基づく結果は、遺漏なきよう措置」することを確認した。
 教育関係では、要保護・援護家庭支援業務の事務職員が法令基準の約半分しか措置されていない点で、財政再建プログラム案でも国基準は実施するとしているにもかかわらず、変動要素が多いことなどを理由に国基準を満たさないことに改めて抗議した。

事務事業見直し190億円減

 行政改革室は、予算関連の事務事業評価などについて説明。今年度の「行政評価」のうち、事務事業評価の対象は1173事業で、409件(34%)が見直しとなった。そのうち12年度当初予算に反映されたのは休止・廃止111件、見直し189件の計300件で190億500万円(府財政再建プログラム案で見直しを示していたものを含む)。一方、拡大は福祉の再構築やダイオキシン対策、ベンチャー支援など22件。事業評価調書は3月1日から情報公開される。
 また、公の施設の見直しで2億1000万円の削減となっている。主要プロジェクトは「評価結果の概要」が示されたが、個別の検討で府民・職員参加の必要性を改めて強調し、そのシステムづくりを求めた。
 府労連は、見直しの合意形成、行政評価のあり方について引き続き、意見反映・提言を行っていくことを改めて表明した。

税財政制度改革が急務
収入見込み額は15年前の水準

 平成12年度予算案の府税収入見込みは、やや上向き実質税収見込みを11年度最終見込みの3・1%増としているが、法人2税については減税による収入減650億円を見込み11年度最終見込みを0・3%下回るとしている。今年度の特徴として郵便貯金の利子割り税の増収分が783億円見込まれ、府税全体では12・3%の増となっている。
 歳出については、義務的経費2・3%増(315億円増、人権費100億円の減額あるが公債費は419億円増)、建設事業費は4・1%減(406億円)となっている。一般施策経費は厳しい削減策をとる一方、介護保険の都道府県負担分約305億円を含め、140億円増となっており施策のシフト替えや産業・雇用施策、在宅福祉推進事業に新規施策を打ち出している。しかし、全体としては交付税2800億円、府債増発1159億円、減債基金からの借入金1127億円など5307億円の財源対策をしてもなお109億円の繰り上げ充用金(11年度赤字見込額)を計上しており、危機的な財政状況は緩和されていない。
 今後、外形標準課税や消費税の都道府県配分の増、国と地方の税財源の抜本対策に向けた具体的対策を早急に講じる必要はいっそう増しており、府労連は連合大阪とともに取り組みを進めていく。

開島100周年の南大東島へ行く
〜自治労沖縄県職前委員長与座さんの故郷を訪ねて〜 @
商工支部 兼田雅弘

自治労府職中央地区評本庁ブロックなどを通じて交流のあった自治労沖縄県職前委員長与座さんの誘いで商工支部の江原支部長、兼田さんが南大東島へ。大自然に育まれた島の様子を伝えたいと兼田さんから投稿があり、2号連載でお伝えします。

 39人乗りの琉球エアーコミューター機は高度を下げ着陸態勢に入ってもなお、太平洋の大海原を飛行し続けている。その時、突然、眼下に緑の畑と赤土の大地に覆われた平坦な島が見えてくる。島の周囲は断崖絶壁。「絶海の孤島」という言葉がこれほど似合う島は本当に数少ない。
◎南大東島は
 八丈島と親戚?

 沖縄本島から東に360km。琉球本島から遠く離れた南大東島は、面積約30平方キロ、人口約1500人。無人島であったこの島に、八丈島から開拓者が移住して以来今年で100年目を迎えます。自治労沖縄県職与座前委員長はこの島の出身であり、去る2月10日から13日にかけて、かねてから南大東島へ熱い思いを寄せていた江原商工支部長他5人の有志が集まり、与座前委員長の帰郷にあわせて島を訪問しました。
◎島あげての歓迎
 島に到着後、南大東村照屋助役、松川教育長を訪問。初日は教育委員会の皆さんが、手作りの歓迎会を開いていただき、盛り上がりました。また、3日間の滞在中は、松川教育長の案内で島内をくまなく回り、夜は、島の各界で活躍をされている与座前委員長の同級生の方々を始め、本当に多くの人々と交流を深めることができました。とくに沖縄で酒といえば泡盛のこと。自分たちで釣った魚と泡盛を楽しみながら連日深夜にまで及ぶ大宴会となり、まさに島上げての歓迎をしていただきました。
◎固有の進化を遂げた島
 島にはここでしか見られない貴重な自然が数多くあります。神秘的な鍾乳洞、淡水に自生する珍しいオヒルギ群落(マングロープの一種。天然記念物)、満天の星空のもとを飛ぶダイトウオオコウモリ(顔が可愛い。天然記念物)。この島の自然を語る時「固有の進化を遂げた島」と評されますが、ここに住む人々もまた、八丈島と沖縄の文化を見事に融合させた固有の文化を守り続けています。
(次号に続く)